リヒーター

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2019年のSF演劇祭で初演された「リヒーター」が、完成度をさらに高めて披露される。SFミュージカルというジャンルが、そして南極という物語の舞台が観客の好奇心を刺激する。「愛と喪失」も観客を惹きつけてやまない題材だ。
ソンジンは、別れた元妻ヘインが南極で行方不明になったという連絡を受ける。だが、妻の遺体を引き取りに行った南極で妻が持っていた隕石リヒーターを発見し、隕石の力を借りて妻ヘインと再会することに。果たして何が幻想で何が現実なのか。二人は心の傷を乗り越えて再び愛を取り戻すことができるのか？
そうなれば、南極はもはや氷の国ではなく、孤立と温かさの間にある新たな出発点となる。南極の様子を再現したメディアファサードのステージは、寂しげでありながら幻想的で、美しく叙情的だ。ミュージカルナンバー(ミュージカルで使われる歌や音楽)はドラム、キーボード、ヴァイオリン、チェロのクァルテットの旋律で人物の感情を奏で、舞台の南極と共鳴する。体の表面温度をカラースクリーンで表現するサーモグラフィーの技術も見逃せない。