朝鮮のボクサー

Programs

1960年代に、ある新聞の連載が警察の介入によって中止となり、「朝鮮のボクサー」という忘れられていた伝説の真実が明るみに出る。日帝強占期の1937年を舞台に、敗北を恐れて負けそうな試合には始めから出ないボクサーのイファと何度倒れてもまた立ち上がるボクサーのヨハンが出会い、伝説となっていく過程が描かれる。
『朝鮮のボクサー』は、あまりにも違う2人の若きボクサーが出会い、変化していく姿を通して真の勝利とは何なのかを問いかけ、時代の悲劇の中で失ってはならないものは何かを探求する。また、30年後に広まっていた伝説が全てではないことを暗示し、英雄として記憶されている彼らの本当の人生はどうだったのかという疑問を投げかけている。
同作は、ボクシングの試合を俳優の身振りと音楽、照明が組み合わさった立体的なパフォーマンスで表現するのが特徴だ。拳が行き交うたびに劇の物語と登場人物の感情が積み重なっていき、試合を超えて物語に引き込まれていく。この作品は、彼らの戦いが単なるスポーツ競技を超え、時代に立ち向かう行為であったことを示している。