フラテルニテ -友愛-

Programs

CJ文化財団の創作ミュージカル支援プログラムに選ばれた作品。フランス革命を時代背景とし、100分にわたって登場するのは2人だけで、密度の濃い心理戦が繰り広げられる2人芝居だ。
革命の同志だったジェルベが、かつての師であるビクトルに銃を向けるところから物語は始まる。自分の政治的理想を実現するため、裏路地の少年ジェルベを革命のシンボルとして利用したブルジョア弁護士のビクトル。彼から共和主義について学んだジェルベは、次第に自分が道具として利用されていることに気づき、自分なりの方法で世の中を変えるためにビクトルのもとを去る。
『フラテルニテ -友愛-』は、「共に」という言葉の裏に隠された暴力と偽善を暴き、真の友愛（Fraternité）の価値を探求する作品。利己心と利他心の狭間をさまよう2人の男の熾烈な葛藤と変化を描きながら、大義のために個人を犠牲にするのは正当なことなのか、他人のために自分を犠牲にするのは正しいことなのかを問いかける。