『ルーレット』

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イマーシブシアターは、「没入型演劇」や「体験型演劇」とも訳される。舞台と客席の境界を取り払い、観客が物語の展開に積極的に参加し、介入する形の演劇を言う。『ルーレット』はイマーシブミュージカルであり、短い連載にもかかわらず強烈な印象を残したオ・ミンヒョクのNAVERウェブトゥーン短編集『ルーレット』が原作となっている。
ポーの住む邸宅で盛大なパーティーが開催される。彼は存在を隠していた弟ドイルをパーティーに招待する。ドイルは15年前の事故で記憶を失っていた。ポーはドイルに自分とゲームをしてドイルが勝てば邸宅と全財産を譲るが、ゲームに負けたら命をいただくと提案する。この残酷なゲームに観客も参加するという仕組みだ。司会者のようにパーティーをリードするクルーのプライド(傲慢)、ラスト(欲望)などは、舞台と客席の間を仲介し、イマーシブシアターの特色をうまく引き出す。
最後に忘れてはいけないことを一つ。『ルーレット』は、開演30分前からプレショーが行われる。役者たちと一緒にルーレットゲームを楽しみながら、徐々に劇中のパーティーの中に入り込んでいくのだが、ここで獲得したチップは本公演でも重要な役割を果たす。