スリル・ミー

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『スリル・ミー』はニューヨークで初演されたライセンス作品だ。1924年にシカゴで起きた誘拐殺人事件の実話に基づく。その事件は、知能の高い大学生レオポルドとローブが完全犯罪を企てて実行したもの。韓国では2007年に初演されたが、観客と批評家から好評を得て韓国プロダクションが日本や中国などに輸出している。
舞台は事件の34年後に開かれた仮釈放審議委員会から始まる。事件当時の声が「私」を尋問し、「私」は「彼」と一緒に12歳の子どもを殺害した過程を淡々と語る。舞台には特に小道具はない。ピアノ一台と二人の俳優だけが存在し、二人の俳優の緊迫した演技の対立、それを調律するピアノの旋律だけで緊張感が最高潮に高まる。そのためか、出演者の組み合わせによって舞台の雰囲気ががらりと変わり、複数回観劇する観客も多い。ドラマ『椿の花咲く頃』や『イカゲーム2』のカン・ハヌル、映画『犯罪都市 PUNISHMENT』のキム・ムヨル、ドラマ『サムダルリへようこそ』のチ・チャンウクなどの韓流俳優も『スリル・ミー』の舞台に立ったことが頷ける。